正直なたましい

笹井宏之さん

僕もまたそちらにたどり着く日まで数えてゆけば会えるでしょうか (あみー)


笹井宏之さんとは直接お会いしたことはなく、
ネット上で言葉を交わしたことがあるだけでした。
特に根拠もなく、いつか会う日が来るのだろう、と、
確信めいたものすら感じていましたが、
とうとう一度もお会いすることは出来ませんでした。


こころからひとを愛してしまった、と触角をふるわせるおとうと

星々の配置のことを聞きながらしずかにひらく卒業証書

玄関に大阪城がやってきてとてもかなしいと言って崩れた

ひらがなであったおとこが夕立とともに漢字に戻りはじめる

上半身ほとんど寺であるひとがごおんごおんと挨拶をする

からだじゅうすきまだらけのひとなので風の鳴るのがとてもたのしい

もうそろそろ私が屋根であることに気づいて傘をたたんでほしい

滑走路、滑走路って願います あんまり長く走っていると

箱になるまえの私に会いたくて思い切りあけてもらいました

鳴らしたら火災報知器だろうからそのままそっとしておいてやる

シゲヨさん、むかしのことをはなすとき百合にならなくてもいいからね

親戚がブロッコリーを食べている 親戚はブロッコリーを食べる

和尚さんそんなに欠けないで、あとからお弟子さんたちも続かないで

「えんぴつをけずる道具だなんて、だいこんおろしできるまえに言ってよ」

どうしても声のかわりに鹿が出る あぶないっていうだけであぶない

「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい


笹井さんの歌が、好きでした。
笹井さん、ありがとう。
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by ammytanka | 2009-01-26 13:00 | お気に入り短歌
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